【正臣】
「暴れんなって、上手く入んないだろ?」
入る………?
入るって………、何が?!
【明】
「え、ちょっ、入るって………」
【正臣】
「俺の」
【明】
「も、もうかよ………?! 入るわけないだろ………!」
ま、まだ心の準備ってものが………!
【正臣】
「挿れたい」
ストレートな物言いにくらっとする。
【明】
「ばっ、な、何こっぱずかしい事言ってんだよっ!!!」
【正臣】
「こんな事してんだから、恥ずかしいも何もないだろ………!」
【正臣】
「てこずらせんなよ………」
【明】
「な、何………っ………」
唇に熱いものが触れた。目の前にはいつもの正臣の切れ長の目と、整った鼻筋。
柔らかな感触が何かはもうわかっているけれど、それが信じられなくて目を見開いたまま、閉じる事さえできない。
【正臣】
「………明………?」
ゆっくりと正臣の唇が離れる。濡れた正臣の唇が、今キスしていたという事実を俺にわざわざ知らせているような気がして思わず目を逸らす。